ポリ画報について
ポリ画報は、私たちが共同制作している紙媒体の作品です。2014年4月に制作の話し合いを始め、9月19日にvol.1を発行しました。
個人の作品をそれぞれ別々に並べるのではなく、各々が作った異なるものどうしを構成して、全員でひとつの全体を作っています。例えば、音楽で、ギターとかドラムとか各々のパートが共存して一つの曲に成っているようなものです。
アート(作品)をつくることとメディア(流通形態)をつくることは切り離せません。手作りレベルの紙媒体は、小規模ですが、作るのも売るのも手応えがあります。また、即売会のようなイベントにはそれなりに人が集まりますし、持続するほどひらけています。それで、紙媒体のものを作ることにしましたが、作品の図版がのっている雑誌みたいなものではなく、それ自体が作品であるような冊子を作りたい、というのがまずはじめにありました。
言葉、イメージ、現実、それらの関係を扱っているような、ある種の、絵本、詩集、漫画、コンセプチュアルアート(ゆるい意味で)、などがヒントになっていました。あるいはまた、インストラクションのアートが。
それによって精神をはたらかせるような媒体、遊び道具のように見たり読んだりと使えるもの、日常性の意味世界からこころをはなすもの、徴候的なもの、笑ってマイナーになるもの、クレーがいったように小さなものからはじめること…そのようなメディアをつくることがそのような作品をつくることでもあれば、いま紙媒体のものでつくるよさもありそうです。なかなかそうはいきませんけれど…
(原牧生)