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ポリ画報通信

「ポリ画報」の活動、関連情報、ノート

オノ・ヨーコ 私の窓から 、 NEW YEAR MUSIC,MONKEY MUSIC!!

 展覧会やイベントへ行って思ったことなど書きたいと思います。

 

オノ・ヨーコ 私の窓から

東京都現代美術館 2015.11.8-2016.2.14

 

 『グレープフルーツ』のようなインストラクションのアートを見直したいと思い、本展に行ったのですが、この人の全体を見直すことになりました。詩でありコンセプチュアル・アートでもありイベント(前衛芸術としての)でもあるようなアート。生をつくり直すアートなのだと思いました。

 『グレープフルーツ』(1964)は本のかたちのものですが、今回は一枚ずつになっているのが展示されていて、文字ばかりのものが並んでいる作品空間に、こういうやり方もありかというような驚きをちょっと感じました。

 オノ・ヨーコさんはボイスパフォーマンスの先駆者といえると思いますが、『Fly』(1970)という16mmフィルム作品のサウンドは、ジョン・レノンとの共作で、ふるえのようなうなりのようなとらえがたいリズムの声の持続があり、映像と合っていて、聴けてよかったといえるものでした。

 また、『Cut Piece』(1965)というイベントの記録映像は割と観客の眼を集めていて、何か供犠の儀式みたいなまじめすぎてアブナイ人の雰囲気がありました。

 オノさんは疎外や無理解にさらされたり悪口を言われることがとても多かったにも関わらず、それをクリエイティブにポジティブに転化あるいは昇華されてきました。そのことを可能にした力を詩的想像力というのでしょうか。

 

NEW YEAR MUSIC,MONKEY MUSIC!!

blanClass 2016.1.16

うたにならないうたおどりにならないおどり、集中力、松尾宇人、川久保ジョイ、

Hideaki Umezawa+Yoichi Kmamimura、tnwh、吉濱翔、ファンテン、真美鳥、CAMP

 

 音楽フェスといっても出演者それぞれやってることが違い、その違いぶりが印象的な企画でした。多次元的というか。いまありうる音楽のあり方のサンプルであるような。

 うたにならないうたおどりにならないおどりのパフォーマンスは,声の即興という自分の関心から興味がひかれました。言葉の即興は自分にとっては難しく、世の中には詩を即興する人もいますがよくできるなと思います。彼らは路上みたいなオープンなところでやっているらしく、それも特長です。

 tnwhは、フルメンバーでない二人編成で、マイクやアンプを使わずに静かに聴かせる演奏でした。例えば、ドラムのパートを代わりに手を叩いて演奏した曲があったのですが、それによって曲の構造がみえてきて、間の取り方というかずらしと重ね合わせ、ほとんどそれだけでできていることがよく感じられたり、など、あらたな発見がありました。

 真美鳥というバンドの演奏は、あえて聴かせないというか聴かれなくてもいいというか、音量だけでなく、そういう姿勢が感じられました。そしてそれがそういうものとしてみられているということが成り立っています。それは私にとっては不思議とも思えるのですが、でも、これからの時世、表現規制、検閲、自粛圧力など強まっていくかもしれないと思うと、例えばこんなふうな、何かいってるけど何をいってるか分からないけど人が集まってきいている、そういうものには、取り締まりようのない抵抗手段みたいなものへのヒントがあるような気もしました。

 集中力というグループのパフォーマンスは、私の観客としての集中力がゆるんでいる間に行われたような印象で、このグループだけでなく全体的に感じたことですが、カタルシスをもとめないとかディスコミュニケーションといったポイントを考えさせられます。

 一方、松尾宇人さんは、観客参加型の設定にしたり、また、観客との関係性じたいをパフォーマンスにするような面がありました。

 また一方、川久保ジョイさんのやり方は、本人は来ないでそこにいる人にインストラクションを任せる、作品を自立させて作者はパフォーマーにならない、というものでした。

 非決定的な立場(非決定性)は、Hideki Umezawa+Yoichi Kamimuraさんたちが氷が溶ける音をマイクで拾っていたところにもいえます。音楽のパフォーマンスでも作曲や演奏とは違う、物が自然に変化しながら出している音を聴けるようにする、というものでした。

 吉濱翔さんの場合は、窓が開けられて外の音(環境音)が一緒に聴こえたりしました。聴く・聴こえる、能動と受動があいまいにされるようでした。

 ファンテンは歌詞というか言葉のパフォーマンスに個性があると思いました。

 イベントとしてはCAMPのもちつきが新年企画らしさを盛り上げました。私ももちつきをさせてもらえばよかったというのがちょっと心残りです。

 音楽についていろいろポイントがあるフェスでした。オノ・ヨーコさんもアート系で音楽やってる人だと思うとビジョンが広がるような気がします。

 

(原牧生)