7月(夢と物語)
Dreamboardというアプリがあるそうで、検索すると、Dreamboard,the safe and secure self-tracking dream journalという書き出しで紹介がある。Dreamboardというウェブサイトがあってそこにつながっている。日々の夢の話を、そのさいの気分や感情と一緒に記録していくと、解釈ではなく、何かデータ分析してくれる。夢は、ある種のセラピーやアートなどのかたちで扱われるだけでなく、コンピュータで扱われるようになったということか。そういうアプリが他にもあるようだ。夢を書きためてもそのままになることは多いと思うので、データとして扱いやすいかたちになるのなら、これまでできなかったことができるようになったのかもしれない。
夢の読み方は、夢をどう読むかという枠組みにしたがっており、その枠組みは物語ともいえる。このアプリでも、目的や意義として提示されているが、ヘルスケアという物語とか、よりよいライフについての物語というような枠組みがあって、そういう物語として夢が読まれ語られるのではないかと思う。夢は、夢をみていることと夢がみえていることの関係、自己と非自己の関係など、単純には扱い難いが、こういうアプリはある程度単純化されているのではないかとも思う。それでも、こういうアプリがどう発達していくかは分からない。
2020年
6月
1日 トイレに置くべき本ですねと話す
3日 丸いものに線を刺して組み立てる
4日 頁めくるように手が服をめくる
5日 字を間違いかけてインク出ず書けず
6日 リーディングカバー二重の本として
7日 おぞましさに屈服発狂漫画
7日 使い過ぎを楽しんだに言い換える
8日 路上葬儀かどこかからの人達
10日 瞳から意識下を撮る新兵器
11日 紙切れに手書きでもやはり原稿
14日 山かげから田んぼ通って来ました
15日 ラジオの声芝生をひざで感じる
15日 捨てられる漫画の山に手を付けよ
16日 知らないひとにとっては知らない人
17日 メモは誰かの言葉で期待知らず
18日 押される人に押し方リードされる
19日 しつこい束ね方外すの大変
20日 伝えるというより浮かび上がらせる
20日 余計なものが多過ぎますよと言う
21日 pee何とかって覗きかおしっこか
22日 それぞれの風呂に浸かって動きなし
23日 間違ってきてたの誰か開けちゃった
24日 再会ツアー先は寝過ごした後
24日 ゴキブリを紙でつまんで放り出す
25日 こんな書き方でいいのかと言われる
25日 生活記事みる生活したい人
26日 女の人の傘を玄関に置く
27日 頭からかぶってシャンプーシャンプー
29日 介護とかアメリカとかオレンジとか
30日 台詞を知らない演劇の練習
30日 生垣の陰に自分をかくまえる
30日 アパートでブレヒト君たちに会えた
(原牧生)