ポリ画報通信

「ポリ画報」の活動、関連情報、ノート

8月(聴くことと夢みること)

ポスト・インプロヴィゼーションの地平 (Art×Jazz M’s)

細田成嗣 ゲスト:津田貴司(サウンド・アーティスト)

 

 久し振りにライブ演奏の場に行くことができた。出演者の津田さんも、演奏後の細田さんとの対談のさい、ライブやイベントが生活のめりはりになっているからライブをできないのが一番危機的、というようなことを言われていた。演奏はギターとディレイのようなエフェクターで音色音響じたいが扱われている。弓で弾いたり。ミニマルともいえる。ディレイを使うのは他者と共演するように自分の音と共演するため、というような話があり、音のモアレ効果みたいなことだけではなかったのが参考になった。

 一方津田さんはフィールドレコーディングもメインの活動にされている。いわゆる音の風景みたいなものとは違うそうで、実存的という言葉を使っていた。何かサウンドスケープ的な音が実存的なこととして経験される、ということはあるだろうと思う。しかし考えてみるとその場合、そこにいるだけでなくそこでそれを録音する・録音しているわけだから、そういういわば再生産的な行為の実存性というのも考えられるべきかもしれない。

 学生の頃はコンテンポラリーダンスとか身体表現に関心があったそうだ。ジャズの文脈とはそれほど関わりがないところから始まっている。環境/音響/即興というテーマのイベントもされている。津田さんの活動を知って、民族音楽もフィールドレコーディング的にとらえる可能性など考えることができて、ヒントになった気がする。

 

2020年

 7月

 2日   イベントが終わった後に居合わせる

 3日   競馬当たったから少し出さなくちゃ

 4日   ちゃんとした人の家に入れてもらう

 4日   転がって転がすものはベアリング

 5日   カラスの巣から父が卵集める

 6日   やれない理由やって見せてやらない

 8日   只でもらえたけど大変な未来

 9日   私の家に行きたいと言われたら

11日   十円玉の中の五百円玉

12日   トマトだけ外で食べてる人がいる

13日   プラカップコーヒーもう持ちきれない

13日   大雨の後の大水バスの外

14日   遠い窓くもりガラスに父の影

14日   突然の力でいっちまったひと

15日   白球を向こうに投げて届かない

15日   母が残したスフィンクス開かれる

16日   将来は自衛官希望九歳

17日   弓がしなる音を聞いて矢を放て

18日   アイドルが実家で料理姉も歌手

20日   P.R.P.のプラカード持つ人

21日   いくすじの白髪にみえて染めた白

21日   われらの水鉄砲複合機

22日   彼らは彼らのやり方で始めた

22日   いない人青紫の朝顔

25日   つまようじパンにはさんでよくかんで

26日   言わなくていいことまでもごあいさつ

27日   あいさつもすれ違い本門寺墓地

28日   次は天体の話に深入りか

29日   ごとり琵琶が置かれる始めるために

30日   尋問する人や袋詰めの人

31日   しんとくは新しいからとくなのか

 

(原牧生)